先日、芝公園の芝パークホテルにて、「いい家をつくる会」のセミナーが開催されました。

(激を飛ばす松井修三「いい家をつくる会」代表)
今回のテーマは新換気・SA-SHEの家の更なる住み心地の向上とその研究の経過報告、新換気リフォームという新たな市場、HEMSをはじめとするスマートハウスの動向と対策などでした。

(新換気リフォームの実例紹介 松井祐三社長)
震災、そして節電の夏以降、住宅業界はスマートハウス一辺倒となり、太陽光発電、蓄電池に燃料電池、エネルギーの見える化や効率化、さらには創エネ住宅など、様々なキャッチフレーズや美辞麗句に飾られた住まいが持てはやされています。
しかし、少し考えれば判るのですが、スマートハウスとそうではない住まいの違いとは何でしょう?
構造?
温熱?
住み心地?
いえ、どれもスマートハウスとは関係がありません。
一般に、スマートハウスとは、家の電子機器をネットワークに接続して一括管理するシステムを採用した住宅のことを指します。
例えば、家庭の屋根に太陽光発電パネルを取り付けて発電し、日中に発電した電気を蓄電池に貯め、余剰分は夜間の電力消費や売電に回せるという仕組みです。
さらに、スマートフォンやタブレット端末で、各家電の消費電力量などを「見える化」して、より無駄な電力消費を抑えることができます。
つまり、スマートハウスとは普通の何でもない家に、太陽光発電を載せて、蓄電池を置き、HEMSを繋げば、即スマートハウスになってしまうのです。
そこには、構造や断熱、気密、結露対策、劣化対策、高齢者対策などと言った、住まいにとって重要なことは一切含まれていません。
ただ単に、節電・発電の機械(家電と言ってもいいでしょう)を追加しただけです。
確かに震災を機にエネルギー問題がクローズアップされ、省エネが強く意識されたことは良いことです。
化石燃料の枯渇や原子力エネルギーに頼り切るリスクは全世界規模の大問題です。
ICT(情報通信技術)やスマートフォンの著しい発達に合わせて、住宅もスマート化する流れも間違っているとは言えません。
しかし、住まいにとって重要な構造や断熱、住み心地を置き去りにし、「これからの時代は『スマートハウス』だ」という風潮はどうにも正しい認識とは思えません。
スマートハウスで長期優良住宅だから「いい家」だとは限らないのです。
この点がどうにも腑に落ちなかったのですが、セミナーで松井代表があっさりとスマートハウスの本質を突いたスピーチをされ、まさに我が意を得たりと思いました。
新換気・SA-SHEの家に太陽光発電、蓄電池、HEMSを載せてスマートハウス化することは可能です。
長期優良住宅を標準仕様にしたローコスト住宅でも同じようにスマートハウスにすることができます。
どちらも同じ「スマートハウス」ですが、中身はまったくの別物です。当然、住み心地は比べ物にならないと断言できます。
セミナー直前の10月28日に発売された新「いい家」が欲しい。[改訂版]ではそのことにも言及しており、スマートハウス一辺倒の業界にも一石を投じる内容になっています。
こんな時だからこそ、家づくりの本質を見据えて、真の『スマートハウス』とは何かを掴んでいきたいと思います。
また、そうした事実を広くお客様にもお伝えできるようしていくのも、「いい家をつくる会」の会員としての責務だと思います。
そういった意味では非常に得る物の大きいセミナーでした。また次回がとても楽しみです。

黒柳一聡