こんにちは、東京都小金井市で外断熱・涼温な家を建てる工務店、黒柳建設の国策担当/WEB担当/システム管理者/営業/現場監督/アフターメンテナンス/OB顧客様係/アパート経営セミナー講師/ビットコイン業務担当の黒柳一聡です。
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大いなる誤解
よく木造住宅の寿命は20年などと言われますが、これはとんでもない誤解です。
木造住宅は雨漏り(結露も含む)と白アリにさえ気を付ければ、基本的に腐る事はありません。
また木造は燃えるので、火災にも注意しなければいけませんが、それはどんな構造の建物でも同じ事です。
きちんと手を入れた木造建築は50年とか普通に持ちますし、黒柳建設でここ20年建てている外断熱の仕様は100年住宅と言われる長期優良住宅とほぼ一緒です。
しかし木造住宅の寿命20年説は根強く、一般の方はなんとなくそう思い込んでいることもしばしばです。
誤解の震源
これには理由があって、そこから派生して「木造は20年」という認識だけが一人歩きしてしまっています。
一番の大元は財務省(旧大蔵省)が税金を決めるために、建築物の減価償却期間を設定していることにあります。
木造は22年、鉄筋コンクリート造なら47年、と減価償却にかかる期間を定めました。
ここから建物の売買査定をする不動産業界で、木造は築20年もすると価値がほぼゼロですよ、という認識になりました。
そうなると一般の方は、価値がゼロ・つまり寿命なんだな、と誤解してしまったのです。
そうした三段論法で、木造住宅は寿命20年、と誤った認識が広まってしまったのです。
実際は全然違うのに!です。
ではその他の構造は?
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造と、住宅の構造はよくこの3種類が比較されます。
木造は安上がりな分、火災にも雨漏れにも弱く腐ったり白アリに喰われたりする、とよく言われますが本当にそうでしょうか?
例えば、鉄骨造ですが鉄だって水に弱いのをご存知ですよね?
鉄部を保護している塗料が何年持つのかは知りませんが、水に濡れた鉄は錆びてしまう事を知らない方はいませんよね?
また火災に対しても確かに鉄は燃えませんが、火事の熱で変形したり曲がったりしてしまいます。
鉄筋コンクリートだって同じ同じです、表面から細かいヒビ割れに雨水が入り込むと、水蒸気となって膨張してヒビ割れを大きくしますし、鉄筋部分を錆びさせる原因にもなります。
またコンクリートは中性化の問題があり、設計上の耐用年数が定められています、あまり知られてはいませんが。
ここで言いたいのは他の構造が悪いという事ではなく、木造の弱点だけを取り立ててクローズアップするのはどうなんですか?ということです。
それぞれにメリットとデメリットがあり、それぞれに適した使い道があるのは確かなのですから。
常識と実際の乖離
そんな実質的な寿命とかけ離れて、世間での評判はなんとなく固まってしまっています。
いくら私たちが声を大にしても、圧倒的大多数が「木造の寿命は20年」と評価をすれば、それが一般的な常識になってしまいます。
これでは、20年しか価値が持続したい木造住宅に35年の住宅ローンを組む、という事態になってしまい、話があべこべです。
バブル期や人口が増加していた時代は、土地の方が値上がりしたり資産価値が残るので、それでも問題はありませんでした。
しかし人口減少社会に突入した最近では、土地も資産価値が残るかどうかわからないと警鐘が鳴らされるようになり、これから家を購入される人たちの不安を煽っているように感じます。
国の取組み
こうした認識を改め、既存住宅の正当な評価を広めるために国も様々な手段を打っています。
その1つが、計画的な建物のメンテナンス及び記録の保全です。
きちんとメンテナンスをして、その内容が後々に確認できるようにしておけば、次に所有する(または購入する)人も安心です。
実はヨーロッパやアメリカでは、既にそういった仕組みが出来上がっているのです。
国土交通省は省エネ政策はドイツを初めとするヨーロッパ型、既存住宅流通に関してはアメリカ型をお手本として、日本版のシステムを作ろうとしています。
というか、比較の物差しや仕組みはほとんど出来上がっていて、あとは一般の人たちの認知度をどうやって上げていくかなのです。
黒柳建設の取組み
黒柳建設は、長期優良住宅の計画と建設の経験から、住宅履歴情報つまり建物のメンテナンスと点検記録の保全を既に開始しており、徐々に既存住宅つまり過去のOB顧客様にも広げつつあります。
今の記録を残しておく事は、今しか私たちしかできないことなのは確かです。
特に黒柳建設は、高性能な新築住宅に特化した工務店ですが、記録が無くてはその証明ができません。
オフィシャルな記録には、住宅性能評価や各種認定住宅の現場検査などがありますが、どうしてもその性質上費用がかかります
しかし、点検記録の書式は特に定められているわけではありませんので、長期優良住宅計画で使用している黒柳建設の書式を使っています。
点検記録を整備していくなかで、メンテナンスの大切さや建物の価値を保つことについてお話もできているので、一石二鳥になっています。
地域工務店の役割
このように皆様の大切な建物の維持管理をきちんとサポートする役割が、地域の工務店に求められていると思います。
これまでのお客様を改めて大切に想い、これからのお客様にもこうしたことをしっかりとお伝えしていきたいと思います。
本日も最後までスタッフブログをお読み頂きありがとうございます。
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