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中小工務店のデータ管理について[前編] | ブログ | 外断熱 東京 注文住宅 長期優良住宅 黒柳建設

スタッフブログ

こんにちは、東京小金井で外断熱・涼温な家を建てる工務店、黒柳建設のWEB担当/営業/現場監督/アフターメンテナンス/OB顧客様係の黒柳一聡です。

 

この肩書にシステム管理者を入れようか迷うところですが、事務所のネットワーク機器やデータの保管について、いろいろと試行錯誤して辿り着いた現行の管理体制についてお話したいと思います。

まず前編は、データ管理の重要性をどうやって学んだのか、後編は実際の運用方法とその課題についてです。

 

ゲームで養われたIT活用の危機管理と実践

ドラクエに学んだデータバックアップの重要性
 ドラクエ、言わずと知れたエニックス(現スクエアエニックス)の大作RPGドラゴンクエストです。和製RPGはドラクエかエフエフ(ファイナルファンタジー)か、に集約すると言われるほどの二大巨頭の一翼です。今では日本のソフトパワーの一角を担う日本を代表する作品となったドラクエですが、80年代のファミコン黎明期に色々と試行錯誤を繰り返し、技術的に未熟な面をなんとかクリアして今日の牙城を築くに至りました。
 
データ容量を1バイトでも節約するために、使えるカタカナを20文字に限定して物語を組み立てた話はその筋では伝説的に有名です。ドラクエⅠの総データ量は、現在の写メ一枚にも満たない64KBという驚くべき容量です。ネジ一本まで軽量化を図ったゼロ戦の逸話につながるところがあります。
(地名も、呪文も、人名も20文字の中で名付けられています。例えば、ドラクエⅠの世界はアレフガルドと言うのですが、「ア」は採用していなかったので、劇中でアレフガルドの名前は出てきません。)
 
そのドラクエシリーズの第3作、ドラゴンクエストⅢそして伝説へ、からゲームカセット内のメモリにゲームデータを保存するシステム、いわゆる冒険の書システムが実装されました。
途中まで遊んだゲームをセーブして、続きから遊び始められるという仕組みは画期的で、ドラクエⅡで多くの冒険者たちが涙した、復活の呪文の書き写しミスによって引き起こされる、その日遊んだ分が無駄になるという悲劇から世界は解放されたかのように思われました。
 
データが消える=記憶が消える
しかしそこはファミコン黎明期、セーブしたゲームデータはちょっとしたことですぐに消えたのです。
30代ならみんなのトラウマとなっているあの呪いの音楽と同時に表示される「おきのどくですがぼうけんのしょはきえてしまいました」(原文ママ)の文字列。
何十時間もかけて育てた勇者も、やっとの想いで遊び人からジョブチェンジした賢者も、数々の激戦を共に戦い抜いた戦士・僧侶・魔法使い・武道家といった仲間たちも、もう少しでオーブが手に入れられるまで発展したスー族の村も、ギアガの大穴から闇の世界アレフガルドへ降り立ち「まさかここでドラクエⅠの勇者ロト伝説へと繋がっていたとは」と身震いした感動も、全部が綺麗に消え去ってしまいました。
まるでそんなことは最初から無かったように、ゲーム内の登場人物は全員記憶が無くなったように、自分だけが世界をループしているような感覚に襲われたように・・・。
 
原因はカセットに外部から衝撃を与えたとか、電池切れとか、色々とあるのですが「絶対」消えないというやり方はついぞ発見できませんでした。 
どんなにカセットを丁寧に扱っても、1日のゲーム時間を制限しても、お家のお手伝いをして良い子にしてても、データ消失は等しくランダムに訪れます。
 
頼るべき身近な大人たちはたかだか子供のオモチャで大袈裟な、とまるで相手にしてくれません。
「かーちゃんがカセットを落としたから冒険の書が消えちゃったじゃないか!」
 
「なに?壊れたの?ちゃんと動くでしょ」
 
「そうじゃないよ、データが消えちゃったんだよ」
 
「ピコピコならまたやり直せば良いじゃない」
 
「そうじゃないよ、今までやってた分が全部無くなったんだよ、全く同じようにはやり直せないんだよ」
 
「そんなピコピコばっかりやってるからいけないのよ、そんなことより宿題は終わったの?外で遊んでらっしゃい」
 
「うわぁぁーーーん」
 
という非常に理不尽かつ不条理な、キャッチボールにすらなっていない会話があちこちのご家庭でありました(筆者の独自調べによる)。
他者の知的財産の侵害、強引な論点のすり替え、開き直りによる責任の放棄、自覚のない加害者の図式ですが、残念ながら多くの子供達は泣き寝入りをするしかありませんでした。
あまり保護者の機嫌を損ねると、ゲーム禁止やご飯抜きなどの断固たる制裁が待っているからです、何という理不尽。このような非道がまかり通っていいのでしょうか。
 
ちなみにこれらは全て筆者の経験ではなく、完全なフィクションです。
 

学習と蓄積と対策 

まあそんなフィクションの話は置いておいて、当時の子供達はそんな経験の中からいくつかのことを体験的に学びました。
  • 一つ、データは無慈悲に消える
  • 二つ、消えたデータは復活しない
  • 三つ、大人は何もわかっていない
 
三つ目を拗らせると盗んだバイクで走り出したりするのでしょうが、たかだかゲームが発端で道を踏み外すほどでもなく、そうなる子供は少数でした。
その分、上二つは子供達の深層心理に深く深く刻み付けられ、立派なみんなのトラウマとなり、今日に至ります。
 
絶対に無くせない仕事上のデータが増えた
そんな子供達が大人になり、当時のピコピコと原理的には同等のコンピュータを仕事で使うことになると、データの管理やバックアップに過敏になるのは至極当然と言えます。理屈はとにかく、データは消えるものだというのが常識として体に染み付いているからです。
そして、消えたデータは復元できない、できたとしても不完全であるかそれなりの資源(時間や人手やお金)を消費する。そのことを当時のファミコン少年少女はたちは誰に教わるともなく、体験から本能で学習して社会へと出て行きました。
この経験が無く学習できなかった層は、大人になってから致命的なデータの消失などをやらかす可能性が高いので、周囲が積極的なリスク回避の手段を講じなければなりません。とばっちりを未然に防ぐことも大人の必須スキルです。
 
それ故、プライベートなデータの扱いにもその傾向が見られます。
ケータイ、スマホ、デジカメ、音楽、PC、個人ユースのものでもデータを管理しなければいけない物がたくさんありますし、デジタルベースでできる趣味が広がったので、自然と取り扱うデータの総量も多くなったのです。
「オレが死んだら、Dドライブと外付けドライブの消去は頼んだぜ」
とはコアな趣味層共通の合言葉のようなものですが、趣味のデータは絶対に消去させたくない、でも絶対に他人には見られたくない(見せられない)というお互いのプライバシーに配慮した紳士協定です。
 
ですが、ビジネスであればそうはいきません。どんなデータであれ、無くしてしまうわけにはいきません。それが不慮の事故や、不可避の事態であればともかく、保険を掛けておかなかったという言い訳は言い分が通るかどうか怪しいものです。
 「知らなかった」
で済んでいたファミコンの冒険の書とは決定的に違うのです。
 
黒柳建設のバックアップ体制は正・副・予備の3系統
そんなわけで、入社直後に当時のシステムを洗い直し、正・副・予備の3系統でのバックアップ体制運用へと移行しました。
次回はその詳細についてお話しします。
 
黒柳建設ではどのようなバックアップ体制を構築しているか、また掛かったコストはどのくらいか、運用中に発生した問題は、将来どのような体制へ移行するか、そんな内容になると思います。
 
中小企業ではシステム管理者を専任で置く余裕がないため、結局はできる人がやるしかないという罠。
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