夢を形にする家づくりの舞台裏「露天風呂のある家」ができるまで | 外断熱 東京 注文住宅 長期優良住宅 黒柳建設

夢を形にする①【露天風呂のある大人贅沢な癒やしの家づくり】

夢を形にする家づくりの舞台裏「露天風呂のある家」ができるまで

「できない」とは言いたく無かった

 

「露天風呂のある家」が出来るまで

「自宅に露天風呂が欲しい」
ご主人の家に対する希望は極論するとそれだけでした。
もちろん、露天風呂があればそれで良いわけではなく、その他の部分にも様々なご要望はあります。しかし、これだけは実現したいと強く希望されたのが露天風呂でした。
そして、当たり前ですがそんな工事はやったことがありませんでした。
 
これは、黒柳建設の「楽しく面白い普通に高性能な家」に、「露天風呂のある家」という前代未聞のバリエーションが加わった時、実際の担当者たちは何を考えていたのかを振り返りました。
 
「露天風呂のある家」が欲しい方だけではなく、「そんなのできっこないですよ」と他所で言われた方にもお読み頂きたい、そんな舞台裏のお話しです。
 
 
「露天風呂できます」から始まった前例のないプロジェクト
設計担当はまだ担当3年目の女性設計士、担当現場もようやく10棟目になって新人から卒業したばかり。
 
現場担当も入社3年目、ようやく黒柳建設の流儀に染まってきた社長の息子(2代目)。
 
周囲(メーカー・業者)に聞いても、ネットで検索しても、知らない・出来ない・分かんない・聞いたことない・やったことない・バカ言ってんじゃないよ、と匙を投げられました。当たり前と言えば当たり前です。。
 
 
2代目は知り合いの建築人に手当たり次第電話して、アイディアのヒントは無いかと聞いて回りました。
 
設計士はメーカーや協力業者に様々な事例を問い合わせ、時に呆れられながら情報を収集しました。
 
当たり前ですが、前向きな答えなど返ってきません。
 
 
 
 
お客様からのメールで以下のことが判明しました。
 
  • イメージはとある軽井沢のホテルの露天風呂
  • ベランダの小スペースでもこれだけのものが作れるのかと感心したのが、自宅に露天風呂を作ろうと思ったきっかけ
  • 内風呂に隣接したバルコニーにそれらしい木製(又は木調)の浴槽、少しでも空が見えて逆に周囲からは覗かれないくらいの規模でいい
  • バルコニーは小さくてもいいが前方の視界は開けていて欲しい
  • 身体は内風呂で洗うが浴槽の掃除用にシャワーが一つ欲しい


    そのくらいのささやかな希望です
 
 
確かにささやかと言えばささやかですが・・・・・
 
女性設計士は想像した、旅館の岩風呂をバルコニーに持ってくる工事の困難さを。
 
2代目は頭を抱えた、作るのはいいが20年後30年後のメンテをどうするのか、誰がするのかと。
 
二人は経験豊富なベテランでは無いからこそ、先入観なくこの無茶ぶりに入って行けたと、後になって振り返ります。
 
 
 
 
第○○次作戦会議議事録より 
  • まず真っ先に考えついたのが、子供用ビニールプールの延長線上の露天風呂キットのような既成品は無いか?という案。
  • もちろんそんなご都合の良い商品が簡単に見つかるはずもなく、既製品を買ってきてポンと置く案は即廃案となりました。
  • 次に、このアイディアを発展させ、洋風のバスタブをバルコニーに設置し、給排水を建築工事で設置する案。
  • これなら既成品が使え、バリエーションも豊富でデザインもお好みに合わせられる。
  • しかしお客様の露天風呂のイメージはあくまで和テイストな木調の露天風呂、この案はビジュアル的にイメージと合わず廃案となりました。
  • じゃあ屋上緑化の要領で庭園風の岩風呂をベランダに造り付けで設置してはどうだろう?これなら屋上庭園風のイメージがたくさん見つかり、工事を行ってくれそうな業者も見つかり、ひょっとしたらという気にさせてくれました。
  • しかしこの案はRC造(鉄筋コンクリート造)向けの案であり、木造住宅では構造耐力と防水面、特にコスト的に大きな不安が残る。よって却下となりました。
 
 
この辺りで大分方向性が狭められて来たので、一旦要件を整理しました。
 
特に留意する点は3つ、①構造、②防水、③メンテナンスです。そして意匠も重要です。
この3つはお互いに影響を及ぼし合い、一つの不備が他の性能へも影響することは必須です。
 
 
そこで
  • ウッドデッキ風の仕上げとし、ベランダ床・立ち上がりに防水層を設けること
  • 水と人の重さを考慮した構造設計を行うこと
  • 外断熱工法の断熱層と通気層の機能を損なわないこと
  • 防水層は一般的なバルコニーのFRP防水とし、メンテナンス性を考慮すること
  • 仕上げ材を防水層にビス固定しないこと、コーキング処理をしても不可とすること
  • ベランダ床・立ち上がりのFRP防水は塗り替えを前提とし、デッキ材と浴槽が一時的に分解移設できること
  • FRP防水の塗替えは一般的な10~15年を目処とすること
  • 給排水の接続が外部より点検・工事ができること
  • 防水層の貫通部は極力排し、容易に点検ができること
  • 防水層貫通部は勾配を付け、シーリング剤で壁厚分処理をし、点検ができること
  • 躯体の断熱気密層・防水層の貫通部からの水漏れが生じた際に下方から点検できること
 
その他、懸念される点は直ちにフィードバックすること
現場と設計は連携を密にし、一つづつ確認しながら図面も作業も進めていくこと
 
このようなことを確認し合いました。
 
 
これらの点に留意し、大工工事と防水工事でバルコニーを造作し、ウッドデッキ用の木樹脂で床を仕上げ、在来用の浴槽を設置し、給湯は室内風呂とは別途の給湯器から取り、排水は躯体内を通さずバルコニーを専用ドレンで貫通して外壁に落とす、といった具体案がまとまりました。
 
お客様が当初希望された木製の浴槽は過去に檜風呂を施工した経験からカビやお手入れに悩まされるとの予想がたち、ウッドデッキ風の仕上げとした床に浴槽をはめ込む方向へと方針が決まりました。
 
設計士はウッドデッキのイメージを固めるべく、様々なエクステリアを調べ、時には出向いて調査しました。
 
空の開放感と周囲からの目隠しという相反する希望には、雨除けの屋根を諦め上方への視界を確保し、バルコニーの手摺を2メートルまで高くすることで、覗かれずに開放感を得られるようにした他、狭苦しさを感じないように手摺壁に小さな通風小窓を設けることで外との繋がりが意識できるように配慮されています。
 
内風呂と外風呂を直接ドアで行き来できるようにすることは開口部の防水性から困難だったので、脱衣室を広く取り、内風呂への入り口とベランダへの勝手口を隣接させることでお客様のご了解が得られました。
 
清掃用のシャワーは外壁に水道栓を取り付ける要領で問題はなかったが、室内用の製品なので外部での耐候性が未知数故にメンテ時の交換項目として計上しています。
 
こうした検討の末、設計士はラフ画を起こしメーカーに問い合わせてから具体的な図面を引き、2代目は各業者の了解を取り付けていきました。
 
 
当時の心境を設計士はこう残しています。
「正直、社長が『露天風呂できる』ってお客さんに約束してしまったと聞いて、一体何をどうすればいいのか皆目検討もつきませんでした」
「でもこれを実現させないことには大変なことになってしまう、ということだけは分かりました」
「それと同時に、まだキャリアの浅い自分にとってこんなユニークな案件はこれを逃したら二度と来ないとも思いました」
「もう二度とあんな思いはしたくありませんけど、どんなムチャぶりでも何とかなったという経験は得難いものでした、もう二度とやりたくありませんけど(笑)」
 
 
 
2代目はこう語ります。
「正直、造るだけなら設計士との打ち合わせの中でで『なんとかなる』とは思いました」
「アイディアと時間と予算さえあれば、大抵のことは対処できるという気持ちがあったのも事実です」
「でも当たり前のことですがいくらアイディアが優れていても時間と予算は有限です、その中での最大公約数がどこなのか、自分の中に基準とするモノサシが全くないので設計と2人で途方に暮れました」
それに、2代目という立場から作ったら作りっ放しというわけにはいきません。20年後30年後のメンテナンスや防水性能の担保、不具合が起きた時の修理の方法、撤去や交換といったことまで考えるとキリがありませんでした」
「その点お客様にはいろいろとご理解を頂いたので、このような工事をさせて頂いてありがたいと思います」
 
 
 
黒柳建設社長はこう評価しています。
「お客様から最初に『露天風呂が欲しい』と伺って、第一声で『それ、いいですね』って言ってしまったんです」
「もちろんどうやったらできるかなんて全く考えていません、私の悪いクセですね」
「でも今までもこういった『見たことも聞いたこともやったこともない』ご要望ってたくさんあって、やってみて何とか形にしてきたので、何とかなるんじゃないかって気持ちはありました」
「未経験なことってできないことじゃないんですよ、できるかできないかまだ決まっていないことなんです」
「できるもできないも未経験ではどちらも等しく根拠がないのです」
「最初にどう決めつけるか、できると決めてとりかかった方がお客様も喜ぶじゃないですか」
 
 
こうして設計と現場は、社長あの野郎という気持ちでまとまり、絶対ぎゃふんと言わせてやると燃え上がりました。
社長とお客様は、責任を取る側とお金を出す側という立場から完成を見守りました。
 
 
こうして、特別な工期の遅延もなく、大きな問題もなく、工事は完了し無事にお引き渡しを迎えました。
 
この露天風呂の良さは、実際に入浴した人でしか分からない、ということで、お客様には「一度湯に浸かりに来なさい」と言われていますが、なかなか実現していません。
 
 

夢を形にする①【露天風呂のある大人贅沢な癒やしの家づくり】

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